徒然乙女

30代アメリカ駐在女子の徒然なる日常

ポリコレの曖昧さに漂う

先日のアメリカ移民に関する記事を書いていて、Whiteって?コケージャン??あれ、インディアン?ネイティブアメリカン?・・・もう!と煩わしくなったけど、ほら、あれね、ポリコレ。分かるし。ポリコレポリコレ♪って知ったかぶりながら言葉を選んでて、ふと疑問に思った。

 

あれ、最近の#Black lives matterの「Black」はアリなの?

 

今さらですがポリコレとは、ポリティカル・コレクトネス(英: political correctness)の略で、性別・人種・民族・宗教などに基づく差別・偏見を防ぐ目的で、政治的・社会的に公正・中立な言葉や表現を使用することを指す。(Wikipediaより)

 

×看護婦、保健婦   ◎看護師、保健師

×スチュワーデス   ◎キャビンアテンダント

×障害者       ◎障がい者  「害」という字が悪印象

×ブラインドタッチ  ◎タッチタイピング

(ブラインドが盲目を連想させるから)

×肌色 人種により肌色が異なるから

×ビジネスマン    ◎ビジネスパーソン

×ブラック、黒人   ◎アフリカンアメリカン?

×インディアン    ◎ネイティブアメリカン

×メリークリスマス  ◎ハッピーホリデーズ

要は、容姿や性別、思想、年齢などの偏見が含まれていない言葉を使おうよってこと。

 

とりあえずさらっと理解した上で、冒頭の疑問に戻る。

ブラックは差別用語だからやめましょうという単純な話ではないのだな?と。

で、クウォーターブラックの友達にきいてみた。(彼はブラックと言われることを気にしないのであえて使おう)

 

「ブラックに誇りを持ってる人もいるし、ホワイトと対比で使うには便利だし、正直アフリカにルーツがないブラックアメリカンが多いから、アフリカンアメリカンとか、アフロアメリカンと言われる方が「うーん?」ってなる人も多いよ。」

そうか、そりゃそうだ。

これだけ移民の多い場所で、黒人がみんなアフリカンアメリカンなわけがない。(ルーツがっていう意味でこの名前がついてるのだと思うけどね?でも本人たちしっくりきてないじゃん。)

 

「でももちろん人によっては嫌悪感示す人もいるね。ホワイトに言われるとより嫌だとかね」

今回のことでも再認した、この問題は根深いもんな。

 

「今回の場合(というかこの標語は数年前から使われているけど)は、Blackだって同じ人間で、命が大切っていうメッセージ性が強い」(意訳)

うん、確かに。そうか。この標語は、本人たち発信だもんね。だから・・・発端はこの言葉を使ってもいいとして、他の人種が軽々しく使って、若干違和感を感じるシーンも出てきてるというわけか。

 

 

ポリコレの概念は1980年ころから提唱されているようだけど、ここまで迷走しているのは区別が簡単じゃないからなんだね。今回知った。

最近コロナの感染者をまとめたサイトで、人種をWhite/Blackで分けているのを見て、ポリコレが浸透しないのかな、とか差別が終わらないだけか?とか思っていたけど、コレクトネスの一言で捌くには複雑なんだわ、きっと。

 

でも、WhiteとBlackがあって、Blackだけ差別感感じるのは、別に「それが身体的特徴を捉えた呼び名だから」ではないよね。史上の奴隷問題が、Black=奴隷=差別、となってるからだよね。人間の負の遺産。簡単に呼び方を変えただけじゃ、解決しないか。

 

 

メモ

ブラックと同じ観点で分ける、「ネグロイド」という呼び方もあります。ドイツの学者ブルーメンバッハが提唱したもの。この概念自体は、完全にポリコレと反対をいっていて、身体的特徴に基づいて人種を分類しています。ネグロイドの語源の「ニゲル」はラテン語で黒、という意味。

この概念で人類を分けると、他には「コカーソイド」「オーストラロイド」「モンゴロイド」。これだと日本から中東までモンドロイドかな?広いね。